「後塵を拝する」の本当の意味とは?由来も解説!

「後塵を拝する」の本当の意味とは?由来も解説!のアイキャッチ画像 「言葉」の本当・本来の意味
この記事は約4分で読めます。

「後塵を拝する」という表現は、現代でも日常会話やビジネスシーンでも、たまーに耳にする言葉ですが、その本当の意味や由来を詳しく知っている人は意外と少ないです。

そのため、「後塵を拝する」の本来の意味について、気になる人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、「後塵を拝する」の本当の意味や、現代での使われ方を解説します!

編集部
編集部

結構色々なシーンで使われる言葉のようです!

「後塵を拝する」の本当の意味とは?現代での使われ方

現代でも「後塵を拝する」は同様に使われますが、辞書的な使い方は以下の3つになります。

1 地位・権勢のある人をうらやましく思う。
2 すぐれた人物につき従う。
3 他人に先んじられる。人の下風に立つ。

引用:コトバンク

一般的には「他人に遅れを取る」「人の後ろにつく」といった意味で使われるこの表現ですが、実際にはもっと深い意味と興味深い背景があります。

以下では、それぞれの意味について、具体的な解説と例文を交えながら説明します。

1. 地位・権勢のある人をうらやましく思う

この意味では、「後塵を拝する」は、地位や権力を持つ人を羨望の目で見ている状況を表します。

ここでは、その人物の成功や地位に対して、憧れや羨ましさを感じている心境を表現するようです。

たとえば、以下のような例文があります。

・新任の部長が次々と成果を上げているのを見て、彼の後塵を拝する思いだった。
・政治の世界で影響力を持つ彼女を前にして、多くの新人議員は後塵を拝する気持ちを抱いていた。

2. すぐれた人物につき従う

この意味では、「後塵を拝する」は、優れた人物やリーダーに付き従うことを意味します。

ここでは、従っている人物が優れており、その指導や影響力のもとにいることを表現します。例文は以下の通りです。

・優秀な研究者の後塵を拝し、彼の指導のもとで学ぶことができた。
・その優れた指導者の後塵を拝することは、若手社員にとって大きな学びの機会となった。
編集部
編集部

一方、文脈によっては「媚びる」という意味合いも含まれているので、若干妬みがかった表現にはなりそうです。

3. 他人に先んじられる・人の下風に立つ

この意味では、「後塵を拝する」は、競争や争いにおいて他人に先を越され、遅れを取ることを意味します。

こちらは、自分が他人の後ろに立つ、他人に負けるという状況を際立たせて言いたいときに使うようです。例文は以下の通りです

・新しいプロジェクトで競合企業に後塵を拝する結果となり、次の戦略を練り直す必要がある。
・マラソン大会で彼の後塵を拝することとなり、次回は勝てるように練習に励むことにした。
編集部
編集部

なんかめちゃくちゃかしこまった言い方に聞こえるのは気のせいでしょうか…?

「後塵を拝する」の本当の由来とは?

以下では、「後塵を拝する」の本当の由来について解説します。

編集部
編集部

意外と歴史のある言葉になります…!

由来・起源

「後塵を拝する」の由来は古代中国に遡ります。

この表現は、騎馬や車を使った移動が主流だった時代の風景から生まれました。それぞれ言葉を分けてみると、以下の意味があるようです。

  • 後塵:文字通り、「後ろの塵」を意味し、馬や車が走るとき、その後ろに塵や埃が立つことを指します。
  • 拝する:敬う、尊敬するという意味です。ここでは、遅れをとる、他人に従うという意味で使われます。

このように、「後塵を拝する」は、先に進む馬や車の後ろについて、その立ち上る塵を仰ぐという状況を表しているのです。

それが転じて、「地位の高い人に従う」「他人に遅れをとっている」を意味するようにもなりました。

「後塵を拝する」由来・起源

そもそもこの熟語は「中国の古典に由来する慣用句」で、具体的な文献としては『史記』や『漢書』などに、その起源があるようです。

古代中国では、戦争や競争、官職での出世など、さまざまな場面で使われました。

例えば、戦場で敵に後れを取り、相手の後塵を拝することは、敗北を意味しました。また、官職において他の官僚に出世で遅れを取ることも「後塵を拝する」と表現されました。

「後塵を拝する」の本当の意味まとめ

ここまで、「後塵を拝する」の本当の意味や、現在での使われ方についても解説しました。

「後塵を拝する」は、

  • 他者に遅れを取ること
  • 地位や権勢のある人を羨むこと
  • 優れた人物に従うこと

といった多様なニュアンスを持ちます。

さらに、古代中国の移動手段に由来しており、戦争や官職での出世競争などの文脈から生まれて、現代ではビジネスやスポーツなど、さまざまな競争の場面で使われます。

編集部
編集部

こういう難しい表現を知っていると、ちょっと賢くなった気がしますよねw